直下型地震を知る
地震の波
P波(縦波)とS波(横波)
地震の波には、大きく分けてP波(縦波)とS波(横波)があります。最初に感じるのがP波(縦波)です。振幅は小さく周期は短く、振動の方向が波の方向と一致するので縦波と呼ばれています(地震の最初に感じるドスンという縦揺れがP波です)。S波(横波)は、P波の終わった後に来るもので、振幅が大きく周期も長く、振動方向と波の進行が直角になることから、横波と呼ばれています(縦揺れの後に感じるグラグラという横揺れがS波です)。
P波とS波の到達時間の差は震源からの距離に比例し、P波とS波の到達時間の差が短ければ短いほど震源に近いことが分かります。
なぜ直下型地震が恐ろしいのか?
直下型地震とは、内陸部の地表から、比較的浅い所に震源を持つ地震であると考えられています。これは、地震の規模がそれほど大きくなくても、震源が浅いために震度が大きくなり、揺れが激しく、震源のそばで揺れます。東京では江戸時代に記録に残っているだけでも、4回の直下型地震に襲われています。中でも、1855年(安政2年)の安政大地震は、規模もM6.9と最大で、下町を中心に死者1万人余り、壊れた家屋は1万4千戸余りという、大きな被害を出しています。
昭和23年福井地震も直下型の地震で、死者3700人余り、家屋の倒壊は3万5千戸余りの大きな被害を出しています。その記録によると、木造家屋が倒れるというより潰れるという形容があてはまるほどで、10秒か20秒で破壊されてしまっています。これは、直下型地震が激しい上下動を伴うためです。
直下型地震の特徴
○大きな地震でなくても、震源が浅いため震度が大きくなる
○P波(縦波)とS波(横波)の伝達時間の差が短い
○激しい上下動